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学ぼう <江戸東京の文化> そして、未来へ

  

江戸名所図会を歩く

 道灌山の次は、南西方向に下って根津神社から始まります。このコースでは、谷中の「へび道」と呼ばれるくねくねした道に興味をひかれて歩きましたが、元は藍染川であったこの場所の両側にあったというお寺の痕跡はまったくありません。
 駒込の天祖神社と富士神社はどちらも境内の雰囲気が森閑とした森の中といった趣があり、心地よい都会のオアシスという感じでした。

【取材】歩いた人(文・写真):広報部会・中村貞子


その55[根津権現社から富士浅間社]

   挿絵:長谷川雪旦  ▲吉祥寺

所要時間: 地下鉄千代田線根津駅下車(5分)根津神社(8分)(へび道経由三崎坂)駒込大観音(8分)目赤不動尊(2分)吉祥寺(5分)駒込天祖神社(3分)駒込富士神社(9分)都営三田線千石駅
鳥居をくぐり、参道を進んで神橋を渡ると、根津神社楼門。 唐門と透かし塀。建造物すべてが現存する稀有な存在。国の重要文化財指定。国宝になってもおかしくないのでは?と思う。
拝殿前。寛永寺にあった燈籠と似たタイプが立っていた。 つつじヶ丘を上って行くと、家宣の胞衣塚(えなづか)。
ただの石にしか見えないので、この説明板を読まないと素通りしそう。(写真選択→拡大) 塞大神(さえのおおかみ)。道祖神ということのようだ。元は駒込の追分、現在の東大農学部前にあったという説明板が立っている。
道路工事などで区内各所から集められた庚申塔などが、まとめて置かれている。なかなか見応えがある。 根津神社裏からへび道を経由して三崎坂から団子坂を上り、道なりに行くと駒込大観音(光源寺)。
これが大観音。仏頭すげ替え著作権訴訟などのゴタゴタを乗り越え、優しいお顔で立っているように見えた。 大観音から本郷通りに出て少し行くと、江戸五色不動の一つ、目赤不動尊。
目赤不動の斜め左前に吉祥寺山門。堂々たる潜戸付きの四脚門。参道の両脇は道に覆いかぶさるようなシダレザクラ。 ここで残っている古い建物は山門と経蔵のみ。(写真選択→拡大)
山門と同様戦災を免れた経蔵は、花頭窓や凝った彫刻など、美しい建造物。来年はサクラの頃にまたぜひ訪れたい。 吉祥寺から5分ほどで駒込天祖神社。
戦後再建された神明造りの社殿。4月中旬の境内は新緑で満たされていた。 社殿の裏にある庚申塔。
ここは、現在駒込病院の立っている辺りを含めて御鷹組同心の屋敷があった一帯。それを語るのはこの石碑のみ。 天祖神社から富士神社へ。社殿への階段は24、5段しかないが、かなり急。下りは要注意。
階段脇の崖にはおびただしい数の献石。信仰の深さの表れか。 こじんまりとした社殿だが、裏側は散歩道になっている。小鳥がさえずる別天地のような空間。人はいない。

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