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学ぼう <江戸東京の文化> そして、未来へ

  

江戸名所図会を歩く

寒かった冬のせいでようやく梅の花がほころび始めた2月の末、増上寺を訪ねました。名所図会の輪読会で担当となって以来、何度か訪れていますが、この季節ははじめて。午前中でしかも寒いせいか人もまばらでした。広大だった増上寺の寺域も今はホテルの間に挟まれた敷地のみ。来るたびに徳川の隆盛と零落を目の当たりにするような感慨におそわれます。東照宮の梅園では幼稚園児達が野点を楽しんでいたのがほほえましい光景でした。

【取材】歩いた人(文・写真):広報部会・中村貞子


その7 [三縁山増上寺]

挿絵:長谷川雪旦 増上寺(部分)


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所要時間:およそ1時間30分
大門→三解脱門→鐘楼堂→安国殿→西向観世音→徳川将軍墓所→弁天池(辨財天社、宝珠院)→丸山→随身稲荷→芝東照宮→台徳院霊廟惣門→黒門→経蔵→熊野三所権現祠→有章院霊廟二天門→御成門
三解脱門は江戸初期の面影を残す唯一の建造物。都内にこんな大きな門があるかなと思ったら、東日本最大級の三門とHPにある。なるほど納得。 鐘楼堂前の梅もほころび始めていた。この鐘の音は熊谷から安房上総までも聞こえたとか???
安国殿内陣。黒本尊は厨子のなかに納められ秘仏となっているので、普段は前立本尊を拝む。 安国殿のわきを抜けて奥に行くと徳川家墓所。(写真選択→拡大)
旧国宝の鋳抜門(いぬきもん)は文昭院霊廟の宝塔前にあった中門。白っぽく変色した青銅の扉や龍の彫り物が痛々しい。 墓所の内部、平成23年1月の特別公開時に撮影したもの。秀忠の宝塔は唯一木製だったので、戦災で焼けた。遺骨は崇源院の宝塔にいっしょに納められている。
四菩薩像はみるたびに気持がほっこり。私のお気に入り。後に見えるのは徳川家霊廟入り口の鋳抜門。 蓮池の中島にあった辨財天社。蓮池は今は水たまり程度。
弁天池から丸山へ。頂上から降りて随身稲荷の脇に丸山古墳の古い石碑をみつけた。 芝東照宮の梅も7分咲き。
東照宮から台徳院霊廟惣門へ。修復されてきれいになっている。門をくぐって階段を上るとタワーホテルと公園が。 もと方丈の門で黒門と呼ばれるこの門も戦災を免れた。しかし、かなり傷んでいる。ここを入ってまた境内に。
黒門から入るとすぐ左手に土蔵造りの経蔵がある。これも戦災を免れた。 平成23年1月、内部が公開され、八角の輪蔵をみることができた。鮮やかな赤い漆の外周と、色彩パズルのような組物の対比が美しい。
有章院霊廟の二天門。せっかく残った門なのに、漆もはげ落ち、惨めな状態。しかもホテル敷地内なので、近くによって見ることができない。 将軍が参詣時に使った御成門。これもところどころ漆がはげ落ちている。

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