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学ぼう <江戸東京の文化> そして、未来へ

  

江戸名所図会を歩く

 『江戸名所図会』巻之二、天璇之部はこのあと多摩川を越えて川崎に入るのですが、このシリーズでは川は越えずに今回の大田区でいったん終わり、次回からは巻之三に入って都心に戻ることになります。
 梅や河津桜が咲き出し、春の気配を感じられるようになってきた3月初めに大森から羽田のエリアを歩きました。最初に訪れる貴舩神社は京急大森町駅が最寄り駅ですが、旧東海道(美原通)を歩いてみたくなって、平和島駅を出発点にしました。妙安寺から長照寺の間は電車を利用しました。日差しはポカポカなのに、時折強風の吹く日でした。

【取材】歩いた人(文・写真):広報部会・中村貞子


その19 [貴舩明神社から要島辨財天社]

   挿絵:長谷川雪旦  ▲浅草海苔


   挿絵:長谷川雪旦  ▲蒲田里梅園行方弾正宅跡


所要時間: 歩く時間は2時間弱、見学時間や昼食の時間を入れても4時間ほどです。
京急平和島駅―25分―貴舩明神社(貴舩神社)―15分―(番外)大林寺―10分―蒲田梅林(梅屋敷公園)―6分―性光山圓頓寺―1分―(番外)薭田神社―15分―蒲田八幡宮(蒲田八幡神社)―1分―行方山妙安寺―3分―京急蒲田駅(3分)京急大鳥居駅―15分―朗羽山(羽田山)長照寺―10分―龍王院(要島辨財天社別當)―12分―要島辨財天社(玉川弁財天)
(番外)平和島で下車し、旧東海道の幅員がそのまま残っている美原通りという商店街からスタートする。 (番外)美原通りを南下していくと内川があり、内川橋のたもとには内川の歴史と周辺の案内を丁寧に書いた説明板があった。
25分ほどで貴舩神社に到着。ここからが本番。本来の最寄り駅は京急大森町駅。 神楽殿もあるなかなかの神社。拝殿も豪壮な感じがするが、残念なことに境内に樹木が少ないせいか神社らしい雰囲気に欠ける。
(番外)この道標を見たくて貴舩神社から梅屋敷駅に向かう途中、大林寺に寄り道。 大田区の文化財になっている。(写真選択→拡大)
梅屋敷駅の入り口へ向かう東商店街を抜け、第一京浜に沿って少し南下すると梅屋敷公園がある。この付近は旧東海道の大森間の宿としてさかえた。 行方一族の墓所がある性光山圓頓寺。この宝篋印塔は日芸上人のもの。左が直清の供養塔。
(番外)圓頓寺のそばにある薭田神社に立ち寄る。なぜかこの神社は図会には出てこない。(写真選択→拡大) 石の鳥居は震災でも影響なかったようだ。
旧蒲田新宿村の村社、蒲田八幡宮。 蒲田神社に隣接している旧別当の妙安寺。本堂左側、手前の墓地に妙案尼の供養塔がある。
行方氏関連のこの墓地だけ別あつらえになっていた。 京急蒲田駅から電車に乗って大鳥居駅下車。南側の公園を抜けて15分ほど歩くと長照寺。
本堂隣にあるこのお堂は? と尋ねると、この方たちのお堂だそうだ。妙見大菩薩は秀吉の守り仏と伝えられていたが、今安置されているのはそのものではない。寺はたびたび洪水や震災にあっている。
多摩川河口に近い場所にある水神社。この地に元は要島にあった弁財天が移され、合祀された。今はそれが主役になって多摩川弁財天の方が大きい扱い。 弁財天のお堂。羽田の要島にあったのは下宮で、風光明媚なため名所になっていた。
説明板はこの有様。上宮のあった要島辨財天社の別当、龍王院の下2文字も欠けている。 お堂の中をのぞき込むと、美しいお顔の弁財天様。

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